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パトレイバーな風景(3)

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きっと今も(今こそ)私たちに知らされないだけで
こんな状況が起きているのだろう

●偽装されたスクランブル事件



パイロットA)
Trebor, this is Wizard 03. Now maintain angel 32.

オペレータ:女性)
Wizard 03, this is Trebor.
You are under my control.
Steer 040, maintain present angel.

パイロットA)
Roger.

...

オペレータ:女性)
Wizard 03, target position 030, range 990, altitude 32.

...

オペレータ:女性)
Target dead ahead 25. Wizard 03, how about contact?

パイロットA)
Negative contact. Request target altitude.

...

パイロットA)
Trebor. Wizard 03. Negative contact. Bogy dope.

オペレータ:女性)
Target deadahead 15, heading 1990, altitude 32, mach 1.2.
Reduce speed.

パイロットA)
No joy. Negative contact.
I say again, no joy.
Request target position.

...

オペレータ:男性)
Priest 21, this is Trebor.
Clear fire.
Kill Wyvern.

パイロットB)
Trebor. Say again.

オペレータ:男性)
I say again. Kill Wyvern.

パイロットB)
Roger. Kill Wyvern.

...

パイロットA)
03 This is Wizard 03.
Request order

オペレータ:女性)
Wizard, Wizard 03, this is Trebor. Are you normal ?

パイロットA)
Trebor, this is Wizard.
Ah, we have heavy jamming, and now lost position.
Request further instruction.
I say again, request order.

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2009/03/20 script修正,YTリンク変更など

パトレイバーな風景(2)

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久しぶりに パトレイバー2の台詞を読み直した

1993年製作だから、もう16年…
しかし 尚更 今だからこそ よりリアルに切実さを感じてしまう

●本編引用「ルカによる福音書、chap.25,sec.51」

Do you suppose that I come to bring peace to the world?
我、地に平和を与えんために来たると思うか

No, not peace but division.
否、平和にあらず、争いなり

From now on a family of five will be divided,
three against two and two against three.
今よりのち、
一家に五人あらば
三人は二人に、二人は三人に
分かれ争わん

Fathers will be against their sons, and sons against their fathers;
父は子に、子は父に、

mothers will be against their daughters,
and daughters against their mothers;
母は娘に、娘は母に

mothers-in-law will be against ther daughters-in-law,
and daughters-in-law against their mothers-in-law.
姑は嫁に、嫁は姑に


● 警視庁特車2課第2小隊長/後藤と 自衛隊陸幕調査部別室/荒川との会話




荒川)
後藤さん

警察官として、自衛官として、
俺達が守ろうとしているものってのは何なんだろうな

前の戦争から半世紀

俺もあんたも生まれてこの方、
戦争なんてものは経験せずに生きてきた

平和

俺達が守るべき平和

だがこの国のこの街の平和とは一体何だ?

かつての総力戦とその敗北、米軍の占領政策、
ついこの間まで続いていた核抑止による冷戦とその代理戦争

そして今も世界の大半で繰り返されている内戦、民族衝突、武力紛争

そういった無数の戦争によって合成され支えられてきた、
血塗れの経済的繁栄

それが俺達の平和の中身だ

戦争への恐怖に基づく なりふり構わぬ平和

正当な代価を、
余所の国の戦争で支払い、
その事から目を逸らし続ける不正義の平和

後藤)
そんなきな臭い平和でも、
それを守るのが俺達の仕事さ

不正義の平和だろうと、
正義の戦争より余程ましだ

荒川)
あんたが正義の戦争を嫌うのはよく分かるよ

かつてそれを口にした連中にろくな奴はいなかったし、
その口車に乗って酷い目にあった人間のリストで
歴史の図書館は一杯だからな

だがあんたは知ってる筈だ

正義の戦争と不正義の平和の差はそう明瞭なものじゃない

平和という言葉が嘘吐き達の正義になってから、
俺達は俺達の平和を信じることができずにいるんだ

戦争が平和を生むように、
平和もまた戦争を生む

単に戦争でないというだけの消極的で空疎な平和は、
いずれ実体としての戦争によって埋め合わされる

そう思ったことはないか

その成果だけはしっかりと受け取っていながら
モニターの向こうに戦争を押し込め、
ここが戦線の単なる後方に過ぎないことを忘れる

いや、忘れた振りをし続ける

そんな欺瞞を続けていれば、
いずれは大きな罰が下されると

後藤)
罰?

誰が下すんだ

神様か

荒川)
この街では誰もが神様みたいなもんさ

いながらにしてその目で見、
その手で触れることのできぬあらゆる現実を知る

何一つしない神様だ

神がやらなきゃ人がやる

いずれ分かるさ

俺達が奴に追い付けなければな

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2009/3/20 英文spellと翻訳修正など
2009/3/21 script修正


水の透視画法 最悪からしみでた最悪 かれと私の荒んだ関係

P.7, E版,東京新聞(夕刊),2009.03.05 より

---------------------------------- 引用開始 -------------
水の透視画法
辺見庸

最悪からしみでた最悪
かれと私の荒んだ関係

 かれは人前に姿をあらわすと、きまっておかしな動作をする。右手括を、蜜柑でもつかむぐあいに宙であいまいにまるめ、それをつかの間、自身の額かこめかみのあたりにもっていき、小首をほんのかすかに振るのである。軍隊の敬礼をまねているのかもしれない。
しかし、手指をああまで屈曲させては、しもじもを脾睨(へいげい)する大元帥を気どっているつもりでも、なにかサルが自分の頭を掻いているみたいで、滑穐(こっけい)というか奇矯の感なしとしない。かにかくに、おかしな人である。私はべっして関心はない。だが、と見なくみていると、そこはかとない嫌悪というか、こちらの羞恥(しゅうち)心まで誘きだされてしまうのはなぜであろうか。

 よく笑う。なにが楽しいのか、裏白い歯をみせ、かれはじつによく笑う。笑いながら、首をちょいと心もち横にかしげて、下手な子役か女形みたいに、さも恥ずかしそうにしてみせたりもする。あれはしかし心底恥ずかしいのでも照れているのでもなく、人目やカメラを多分に意識した、お得意の気障(きざ)な所作なのであろう。よわい七十に近いのに、ときにお稚児のような表情をしたりして、さても面妖である。さだめし普段から姿見の前に長いことたって自分にみほれたり、あれこれポーズをとったりしているのだろう。りゅうとしたスーツのズボンの裾(すそ)には、ちょっとした重しがしのばせてあるといううわさもある。しわになりにくくするためだそうだ。

 ばかばかしい。どうでもよいことだ。テレビを消せばすむことである。自己愛過剰のあの男が、よしんば今後他の者にかわったとしても、すっかりうじゃけてしまった世の中の芯がそっくりよくなるというものでもない。かりに、漢字が読め、清廉・謙虚・篤実をてらい、いかにも安い背広を着て、貧者の苦労によりそうふりをする寝業師があらわれ、改憲、核武装計画の底意をひたかくしにしたまま、国難克服、経済回復、〝日本力″再興…とかなんとかのスローガンをさけんで、不人気のかれの後を襲ったとしよう。そして一転、九〇パーセントもの熱狂的支持をえたとしよう。かえってなんだか怖くはないか。まったくありえないことではない。マスコミと民衆の見識と前歴からして、いまふたたびの〝狂躁(きょうそう)″はむしろありうべしである。

 民主主義がわれわれの最良の選択であるなら、そして、これがいうところの真の民主主義であるならば、この国では目下、<最良のシステム>をつうじて<最悪のもの>がさかんにしみだしているのにほかならない。おんば日傘でそだてられ、漢字にせよ人の世のことわりにせよ、初歩的まちがいをそれとして叱責(しっせき)もされずに生きてきたであろう、いわば「勘ちがい男」のかれをいまだにトップにいただくこの国は、ジャン・ボードリヤールふうにさらに悲観的にいうなら、すでに「幻滅と解体の永久運動にとりこまれている」(『完全犯罪』)のかもしれない。ボードリヤールによると、この種の運動は、おそらくあきらめの蔓延(まんえん)から、状況を「秩序とばかげた順応主義」に追いやりがちだが、それはかえって「もっと大きい壊滅状態」をつくりだすだろうという。同感である。

 先日、ふとおもった。派手なマフラーを巻き、珍妙な敬礼をし、だみ声で空疎なことをしゃべくるかれは、どことなく昔のバナナのたたき売りに似ている、と。いや、バナナのたたき売りや香具師(やし)ならばそれはそれ労働だし、まだ技というものがある。権力の座にただとどまりたいだけの目的で、三百代言をかさねてお金をばらまこうというかれとその仲間たちの行為は、納税者への愚弄(ぐろう)をとおりこし詐欺的ですらある。不支持率の高まりは消極的ながらせめてもの救いといえなくもない…とこの話を軽いエッセーの手法でまとめることに、しかし、私のなかにはためらうものがある。

 きょうびの権力とは、おそらく可視的な単体ではありえない。つまり、英雄気どりの勘ちがい男は、日本の腐敗した権力をかひそめに表象しているかもしれないが、いかに豪華なコートを着用していようと、権力そのもの、あるいばその全体や本質ではありえない。権力(ないし戦争)は、絶えず離合集散をくりかえすわれわれの無数の合意、無数の無関心、無数の断念、無数の倦怠(けんたい)、無数のシニシズム、無数の沈黙をいちばんの養分にしで、ある日むくりと巨体をたちあげてくるのである。テレビを消せば、かれと私の関係は切れる。だが、私切あきらめは、権力の腐乱と増殖をしずかにささえ、ひるがえって、私自身を刻々荒(すさ)ませるのである。

(へんみ・よう=作家)
---------------------------------- 引用終了 -------------

StarWars エピソードIII

 地上波ハイビジョンで StarWars エピソードⅢ(以下 EP-Ⅲ) なるものを初めて観た。
初代シリーズのエピソードⅣ(だっけ)以降の3作以来、StarWars から遠ざかっていたのだ。

 率直な印象、俳優演技の実写が時々が混じるCGアニメにすぎないではないか!!

 プレステ3などで結構高品質な実時間VR(Virtual Reality)が日常な体験になってしまっている時代に、お金を払って小屋にわざわざ足を運ばせるだけの見世物を造るために、巨額な資金を投入し、スーパーコンピュータを駆使して、凝りに凝って造った「壮大な」映像のテンコ盛りのつもりなのだろうけれど、いかにも虚しい・・・

 人工映像技術が比較にならない程未熟な時代に造られた初代シリーズ,,は、細かい技術面にだけ目をやれば、チャチな模型撮影のVFXと感じる人が、今の時代多いのかもしれないが、しかし、物理的な「物」に本物の光源を当てて撮影したリアリティの実在感を確かに持っており、それに比べて、人工合成のEP-Ⅲは、この迫力に及ぶべくもない。

 もちろん、当時の「前近代的」SFX技術で、どれだけ撮影に苦労と労力が費やされたかという創作過程そのものの汗と工夫が、実写故の魅力と迫力に寄与していることも大きな要因であろう。

 さらに、それにしても、アナキン・スカイウォーカーがダースベーダーに「堕落」するストーリープロットの出来は一体いかがなものか?と、これまた白けてしまった。

 正義と滅私の崇高な理想に至ったはずのジェタイの価値観が、あれほど通俗に瓦解するなどという構成は、子供だましの謗りを免れない。

 長年築き上げた価値観・人生観が瓦解することは決して稀な事ではなく、しかし、その背面には、簡単に語りつくせない深い闇と論理にできない苦悩が充満しているものである。この一例は、例えば、StarWars初作に比較的近い年代とほぼ同時期に造られた「地獄の黙示録」がある。

 ということで、EP-IIIのラストシーンで、StarWarsの円環は「綺麗」に完結し、この先、記憶から反芻することもないであろう・・・・


(補足:2009/2/23)
「地獄の黙示録」とStarWarsの関係について、以下の記事がある:

引用1) 「この映画(地獄の黙示録)は元来は、1970年代初頭に、南カリフォルニア大学(USC)での仲間であるジョン・ミリアスとジョージ・ルーカスとで進めていた企画であったが、当時はベトナム戦争が行われていた最中であり、企画が通らなかった。のちに、ルーカスが『スター・ウォーズ』を製作するにあたり、権利をコッポラに譲り渡した。」

引用2) 「ウィラード大尉役は当初、ハリソン・フォードを予定していたが、スターウォーズの撮影との関係によりマーティン・シーンに変更された。しかし、ハリソン・フォードは撮影の見学に来た折に端役として出演しており、その時の役名は「ルーカス大佐」となっている。」

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