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パトレイバーな風景(2)

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久しぶりに パトレイバー2の台詞を読み直した

1993年製作だから、もう16年…
しかし 尚更 今だからこそ よりリアルに切実さを感じてしまう

●本編引用「ルカによる福音書、chap.25,sec.51」

Do you suppose that I come to bring peace to the world?
我、地に平和を与えんために来たると思うか

No, not peace but division.
否、平和にあらず、争いなり

From now on a family of five will be divided,
three against two and two against three.
今よりのち、
一家に五人あらば
三人は二人に、二人は三人に
分かれ争わん

Fathers will be against their sons, and sons against their fathers;
父は子に、子は父に、

mothers will be against their daughters,
and daughters against their mothers;
母は娘に、娘は母に

mothers-in-law will be against ther daughters-in-law,
and daughters-in-law against their mothers-in-law.
姑は嫁に、嫁は姑に


● 警視庁特車2課第2小隊長/後藤と 自衛隊陸幕調査部別室/荒川との会話




荒川)
後藤さん

警察官として、自衛官として、
俺達が守ろうとしているものってのは何なんだろうな

前の戦争から半世紀

俺もあんたも生まれてこの方、
戦争なんてものは経験せずに生きてきた

平和

俺達が守るべき平和

だがこの国のこの街の平和とは一体何だ?

かつての総力戦とその敗北、米軍の占領政策、
ついこの間まで続いていた核抑止による冷戦とその代理戦争

そして今も世界の大半で繰り返されている内戦、民族衝突、武力紛争

そういった無数の戦争によって合成され支えられてきた、
血塗れの経済的繁栄

それが俺達の平和の中身だ

戦争への恐怖に基づく なりふり構わぬ平和

正当な代価を、
余所の国の戦争で支払い、
その事から目を逸らし続ける不正義の平和

後藤)
そんなきな臭い平和でも、
それを守るのが俺達の仕事さ

不正義の平和だろうと、
正義の戦争より余程ましだ

荒川)
あんたが正義の戦争を嫌うのはよく分かるよ

かつてそれを口にした連中にろくな奴はいなかったし、
その口車に乗って酷い目にあった人間のリストで
歴史の図書館は一杯だからな

だがあんたは知ってる筈だ

正義の戦争と不正義の平和の差はそう明瞭なものじゃない

平和という言葉が嘘吐き達の正義になってから、
俺達は俺達の平和を信じることができずにいるんだ

戦争が平和を生むように、
平和もまた戦争を生む

単に戦争でないというだけの消極的で空疎な平和は、
いずれ実体としての戦争によって埋め合わされる

そう思ったことはないか

その成果だけはしっかりと受け取っていながら
モニターの向こうに戦争を押し込め、
ここが戦線の単なる後方に過ぎないことを忘れる

いや、忘れた振りをし続ける

そんな欺瞞を続けていれば、
いずれは大きな罰が下されると

後藤)
罰?

誰が下すんだ

神様か

荒川)
この街では誰もが神様みたいなもんさ

いながらにしてその目で見、
その手で触れることのできぬあらゆる現実を知る

何一つしない神様だ

神がやらなきゃ人がやる

いずれ分かるさ

俺達が奴に追い付けなければな

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2009/3/20 英文spellと翻訳修正など
2009/3/21 script修正


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